「幸福のスイッチ」

前述のように地味な道徳映画だと思って観ていたのですが、確かに大きな事件も何も起きない映画、ではあるのです、それでもイイと思いました。今年のトップ3に入れてもイイ。父(ジュリー)のひとり舞台も姉妹の会話も父娘の会話も常連客の会話もテンポよくて思わずヘラヘラ笑ってしまうのです。私は上野くんが好きですから演者上野くんを素晴らしいと評するのは当然のことなのですが、さて置き長女の本上まなみが「私は何も取り得が無いから」と田舎に残る事を拘らないほんわりとしたおねえちゃんそのものなのです。石坂ちなみの田舎のヤンママもおお、と思ったし、それだけでなく香も鈴木も電器屋の常連客もとにかくみんなそこで暮らしていて観ている私もそこに暮らしていてイナデンがそこにある、のです。田舎の人のつながり、は描かれていても、本当のドロドロとしたしがらみは描かれていないのもいいと思いました。そんなものは観たくない。「ええやん」て幸せに暮らす魔法の言葉ですね。
安田監督の作品は映画でも観たいですがこういうのをもっとテレビでもみれると嬉しいな、と思いました。
最後徐々に素直な言葉が出るようになった怜に鈴木が言う前に「かわいい」と私も思ってしまったので素直に思いやりの言葉を発するとは大事だな、と思いました。